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わたしのフランス留学

Mon séjour d’études en France

 

 

 

茂木 彩さん(31歳  ※2023年1月取材時)

パリ・シテ大学 博士課程2年在籍中(2020年9月~)

 

留学のタイプ:修士課程2年目からの正規留学。修士課程2年目は自己負担、博士課程1年目はフランス政府奨学金、博士課程2年目はフランス政府社会保険給費と自己負担

ご専攻 : 映画学

居住都市(地区): パリ14区 

フランスの好きなところ :

 ①映画文化・教育が盛ん

 ②学生の健康のためのサービスが手厚い

 ③経済的な負担が少なく、文化的に充実した生活ができる。

好きなフランス語 : « Pas de souci. »

 

 

 

   リュクサンブール公園にて

 

 

    1. きっかけから出発まで

◆ 学生時代からの夢だったフランス留学

私は東京外国語大学のフランス語科に在籍していたのですが、そこではほとんどの学生が大学3年の時に留学します。私はその頃、大学院の入試の準備をしていて留学できませんでした。その後、東大の大学院の修士を終え、経済的に自立したくて就職をしましたが、東大には、働きながらでも研究を続けられる「長期履修学生制度*」があることを知り、博士課程の授業に出たりしながら社会人をしていました。だんだんお金も貯まってきて、30歳になる前にどうしても留学したかったので、コロナだったのですが、思いきって出発しました。

*職業を有している等の事情により、標準修業年限内では、大学院の教育課程の履修が困難であると認められる者に限り、標準修業年限を超えて計画的な履修を立てることができる制度
https://www.i.u-tokyo.ac.jp/edu/inter_ex/oir/pdf/long-term-completion_j.pdf

 

◆ フランスの大学教授に直談判

私の場合、どうしても指導をお願いしたい先生がいて、資料収集のために渡仏した際、その先生に会いに行き、論文をみてもらえないかとお願いしました。無事OKを頂いたので、その先生の所属するパリ・シテ大学の映画学と英語のダブルディグリー修士課程2年目に登録しました。コロナ禍で留学生自体受け入れてくれるのか不安だったのですが、担当教授と直接コンタクトが取れたことで、スムーズに留学できたのかなと思います。

 

◆ 留学準備

自分のまわりには留学経験者が多かったので、その人たちの話を参考にしました。彼らには「Campus France」のwebサイトを見ることを勧められました。論文の指導教官については、日本の指導教官の先生に相談しました。それから私は、フランスの大学の博士課程に在籍している友人もいたので、友人を通して現地の大学の評判などの情報を入手しました。プログラムによっても出願手続きが違ったりするので、早めの対策と準備をおススメします。

 

◆ フランス語のレベル

「最低でもDELF B2が必要、できればC1あった方がいい」ということは前から聞いていたので、早めにB2レベルを取っていました。しかし、B2のディプロムを紛失してしまい、再発行を申請したのですがコロナで間に合わず、急遽TCFも受ける事態に。結局TCFではC1を取得でき、語学力証明書類を準備することができました。

 

   2. 大学と研究

パリ・シテ大学は総合大学で、色々な研究をしている人がいます。英語で受講できる授業も思ったより多いです。博士課程では、主に2011年の東日本大震災に関連する映画(震災後映画)の研究をしています。地震、津波、原発事故という規模の大きな災厄と一連の被害を、映画はどのように――映画本来のしかたで――視覚化し、観客にどのようなインパクトを与えたか。エネルギーの大部分を原子力に依存しているフランスにとって、日本で起きた原発事故は他人事ではないはずで、実際、フランス人の監督の作品にも影響を与えています。日本にもフランスにもショッキングだったこの出来事を、映画学の中で研究します。現代では、世界中のカタストロフの映像を、テレビだけでなくパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを使っていつでもどこでも視聴することができます。そのような状況において、映像を見ることの意味がめて問われていると思います。映像を通じてカタストロフを見るとは、さらに、不安定な現在と向き合い未来を思い描くとはどういうことなのか、震災後映画は教えてくれると考えています。論文は、先行研究の多くが英語で書かれていることと、将来的により多くの人に自分の研究を知ってもらいたいため、英語で書いています。

 

   3. フランス政府奨学金

博士課程1年目の時に、フランス政府奨学金(BGFを頂きました。出願資格が30歳までだったので、これが最後のチャンスと思い、思いきって応募しました。審査は、約20分間でパワーポイントを使ってフランス語で自分の研究テーマを発表するというものでした。こちらの奨学金では、大学登録料、滞在費、社会保険料等がカバーされます。博士2年目は、フランス政府社会保険給費の延長を申請しました。

 

 

                                                                 

 (左)雪が降った翌日のパリ・シテ大学のキャンパス                           

 (右)フランス国立図書館の地下にて。夏になるとヤギたちが吹き抜けゾーンの庭の雑草を食べてくれます。大変癒されます。

 

 

 

 茂木さんのお話の後半はこちら